『中国動漫新人類』に見る中国動漫事情㉖〜中国のアニメ政策事情/日本のアニメのためにも望ましい中国アニメの発展
長々と中国のアニメについて述べてきたが今回で終わりとしたい。
中国における日本のアニメの現状は厳しい。輸入アニメは子ども番組の総放映時間の25%を超過してはならず、輸入アニメの放映数量(タイトル)は、アニメ放映総数の40%を超過してはならないという状況である。この割り当てのパーセンテージの中でアメリカのアニメとシェアしなければならない上に、ゴールデンタイムでの放映は禁止されている。そんな現状は日本のアニメの流通は相変わらず海賊版頼み?である。
中国における日本のアニメの将来はどうなるのか。果たして未来はあるのか。
私が思うにその答えは中国製アニメの発展と共にある。意外に思うかも知れないが、中国のアニメの発展にこそ日本のアニメの未来があると考える。
それはどういうことか。
中国の市場に対して中国の製作者も日本の製作者も同じ立場にある。要するに収益を得られないのだ。こんな状況が何時まで続くのかわからないが、中国のシステムを考えれば、とにもかくにも中国のアニメ製作者が市場から正当な収益を得られるようにならなければ道が開けないであろう。まず中国の市場が正常に機能するようにならなければ何事もはじまらないのである。
もちろん、そうなった場合でも一層の規制や更なるハンディキャップ(関税強化などの)の道も考えられるが、それも「普通の市場」になった上での話である。その意味で、時間はかかるであろうが日本のアニメの将来のためには中国アニメの発展は欠かせないであろうし、それに関して日本のアニメ産業としても協力できるところは協力すべきであると考える
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