中国訪問記4〜観光とアニメの街、杭州
上海から杭州への移動は中国版新幹線であるCRTで行った。某スタジオの先輩が今から20年ほど前に行ったときには単線のため待ち合わせが多く、片道4時間もかかったそうだが今はわずか1時間20分で着いてしまう。 駅から浙江大学の近くのホテルへ向かった。地下鉄は建造中ということで割安なタクシーで行くことにしたのだが、外の風景を眺めながらこの古都は噂に違わず風光明媚で、特に昔から名高い西湖の周りの景観が素晴らしいことに気が付いた。ゴミゴミした上海を見ていたせいもあって全く期待していなかったのであるがかなりの高級リゾート地で、中国人が自転車に乗って道を走ってなければ(失礼)、まるでヨーロッパの景勝地へ来たような錯覚に陥る。 途中、夏さんの好意で東映動画の『白蛇伝』の舞台である西湖にかかる白堤に立ち寄った。蓮の葉に覆われた湖の風景を見るとなるほど毎年数千万人もの観光客を引き寄せる理由がわかったような気がした。 街並みは意外にも極めて西欧的である。街路樹などが植えられているほど道路幅が広いが、人口600万人といわれる杭州の街並みはどこまでも整然と続き、車なくして移動できないそのスケールはまるでロサンゼルスのようでもある。おそらくここで国際的な映画祭を開催すれば参加者は喜んでくるものと思われる(マルコ・ポーロが感嘆したくらいであるから間違いないであろう)。そして、この世界的に見ても有数の観光資産を持っている杭州はまた中国で有数のアニメ都市なのである。
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