岩戸左智夫『著作権という魔物』②(アスキー新書724円税別)
著作権はインフレ状況にあるのか?
本書でインタビューを受けているメンバーはその専門とする領域においてトップと目される人間である。そのためインタビューに答える課程で著作権事情だけではなく現在の日本のコンテンツ事情も同時に浮かび上がってくる。
著者がインタビューを通じて一貫して問いかけているテーマは、ネット社会となりコンテンツ流通が容易になってのにもかかわらず著作権のためにそれが死蔵されているのではないかということである。そして、それは「権利のインフレ」によって引き起こされており、「人々は自らの著作権を叫び、身動きが取れないような状態すら生じ始めているように思う」と著者は述べる。
現在の著作権問題に対する絶対的な解答は今のところ見当たらず、前に進んでいるのか後ろに下がっているのかわからない状況がしばらく続くであろう。聞くところによると最近ニコニコ動画の視聴数が激減しているという。これはアニメ映像が権利元からのクレームよって大幅に少なくなったためであると推測されている。こうした状況が長い目でどのような影響をもたらすのか今のところ不透明であるが、各々自分たちの立場で最善策を考えるしかないであろう。
たびたびお邪魔します。
ニコニコ動画についてはおそらくalexaの件を捉えて書かれたのだと思いますが、以下の記事もご覧ください。
「驚きだそうなのでAlexaとGoogle Trendsのニコニコ動画アクセス状況を重ねてみた」
http://markezine.jp/article/detail/4695
「ニコニコ動画の「アクセス激減」騒動の真相
Alexa(アレクサ)データのひとり歩きにご注意を」
http://markezine.jp/article/detail/4695
私も月間PVで50万程度の規模のサイトを運営していますが、Alexaのデータとサーバーでとっている実データはリンクしません。
こういう記事を垂れ流すメディアも問題ではあります。
投稿情報: KEI | 2008/08/10 13:02
KEIさん、コメント有り難う御座います。
私の情報源はまたちょっと違ってまして、ケータイ業界筋からです。
とはいえ、ご指摘のような事実があるかも知れませんのでもう一度確認してみたいと思います。
投稿情報: 増田弘道 | 2008/08/10 17:57
>>「ネット社会となりコンテンツ流通が容易になってのにもかかわらず著作権のためにそれが死蔵されている・・・」
私はこの点が、コンテンツ流通の足かせになっている点の一つだと考えております。
アイフォンが発売され、携帯電話で、漫画や映画を手軽に見れるインフラが整いつつある今、見直しが必要かと思います。
個人的には、現行の著作権法にのっとりながら、著作物の流通性を高めたクリエイティブコモンズ(c.cやc.c.+)制度に注目しております。
投稿情報: じゃば | 2008/08/10 22:43
> 私の情報源はまたちょっと違ってまして、ケータイ業界筋からです。
なるほど。早合点いたしました。
投稿情報: KEI | 2008/08/12 08:16