アニメと音楽のビジネス関係(7)〜コロムビアの時代
ビクターと並んで二大邦楽レーベルを長く形成してきたのがコロムビアである(朝日ソノラマはどうなんだ、という声も当然あるが。レコードメーカーと朝日ソノラマがアニメの音楽ビジネスにおいて果たした役割は異なっていると思われるので、いずれ勉強が進んだら書いてみたいと思っている)。文芸部が中心となり60年代後半から80年代にかけてアニメ主題歌のヒットを量産、アニメ音楽の中心に位置するが、その背景には企業パワーが非常に強かったという事情があると推測される。書き留めるときりがないがその栄光の歴史のほんの一端を紹介しておく。
1965年『ジャングル大帝』
1966年『魔法使いサリー』
1967年『リボンの騎士』
1968年『巨人の星』
1968年『ゲゲゲの鬼太郎』
1969年『タイガーマスク』
1970年『あしたのジョー』
1971年『ルパン三世』
1972年『科学忍者隊ガッチャマン』
1972年『マジンガーZ』
1974年『宇宙戦艦ヤマト』
1976年『キャンディ・キャンディ』
1978年『銀河鉄道999』
1979年『ドラえもん』
1981年『Dr.スランプアラレちゃん』
1983年『キン肉マン』
1986年『ドラゴンボール』
1992年『美少女戦士セーラームーン』
以上であるが、いずれも記憶に残る作品ばかりである。また堀江美都子、水木一郎、大杉久美子、ささきいさおといった歌手を輩出しているという意味ではアニメ音楽に対する貢献度は歴史的に見ても断トツと言えるであろう。
このコロムビアのラインアップを見ているといわゆる「王道」アニメの主題歌が多い。いずれもアニメの「主題歌」というのにふさわしい正統的楽曲ばかりであるが、文芸部が主体ということもあってか80年代過ぎからのアニメ主題歌のトレンドとの微妙なズレが出てきているように思える。
コロムビアが1990年代から次第にその力を失っていったのはJ-POPへの取組が遅れたことが指摘されている。他社は次第に主題歌にJ-POPの主流アーティストを注ぎ込むようになったが、どうもコロムビアはそうしたトレンドに乗り遅れたようである。つまり、もはやアニメ音楽は文芸部が取り扱う時代ではなくなったということなのであろう。
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