第二部手塚治虫とアニメ
2−3 アメリカでブレイク
日本製アニメに注目が集まる
それらの主要な会社は、すでに80年代後半から『AKIRA』やジブリ作品を配給していた「ストリームライン・ピクチャーズ(Streamline Pictures)」をはじめとして、『機動警察パトレーバー』を発売した「セントラル・パーク・メディア(Central Park Media)」や、『攻殻機動隊』や『Perfect Blue』を配給した「マンガ・エンタティンメント(Managa Entertainment)」、『ドラゴンボール』で成功を収めた「ファニメーション・エンタティンメント(FUNimation Entertainment)」、現在では大手となった「エイ・ディ・ヴィジョン(A.D.V.)」、ポケモンのビデオグラム販売を手がけた日系の「ジェネオン・エンタティンメント・USA(Geneon Entertainment U.S.A.)などであった。
そして、このような状況の中、1995年には川尻善昭の『Ninja Scroll(獣兵衛忍風帖)』が北米で発売されビデオ・DVD80万本/枚というヒットを記録したのに続き、翌1996年には『Ghost in The Shell(攻殻機動隊)』がビルボードのビデオ部門で遂に一位を獲得した。
しかしながら、これらの現象はまだアニメファンの枠内だけの出来事であり、映画やテレビといったメジャーなメディアに日本のアニメが登場することはほとんどなく、90年代中盤になってようやく『ドラゴン・ボール』『セーラー・ムーン』などのオンエアーがはじまりアニメファン以外の注目も浴びるようになった。
そして、徐々にならされた土壌に「あのアニメ」が登場するのである。
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