第二部手塚治虫とアニメ
2 海外におけるアニメの現状
2−1 世界の65%は日本製のアニメ
2000年以降アニメは日本の代表的現代文化のひとつという認識が海外でも高まりつつある。それを裏付けるように、経済産業省の試算によると世界のアニメの60%、韓国文化コンテンツ振興院によると65%が日本製とされている。
しかも、この数字はほぼ10年前のものであり、特にライバルが見当たらない状況ではさらにシェアが上がっている可能性が高い。実際、海外旅行に行ってテレビのチャンネルを回せば大概どこの国でも日本製のアニメを見ることができる。
日本のアニメがどれだけ世界で浸透しているかについて興味深い資料がある。それは2004年に経済同友会が行った「ソフトパワー指数について」という三菱商事の海外駐在員及びその家族を対象とした調査であるが、その中にあるアンケートにおいて、「貴地において人々に好まれている日本の文化を教えて下さい」という問いに、3位の生け花、茶道など伝統文化(28名)、2位の日本料理(97名)を上回って、「テレビ番組(アニメ、ドラマ)、映画、音楽、マンガ」(127名)が1位になっており、海外においては、すでに数年前から日本料理や伝統文化よりもマンガやアニメ馴染み深いという認識が支配的になっているのである。
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