『封印されたミッキーマウス』(安藤健二/洋泉社1,300円税別)
プール描かれたミッキーにディズニーが抗議したのは本当だった
本書はコンテンツのみならず色々なジャンルに渡る「封印」が紹介されている。おばQやミッキーマウス、タイタニック生還者(細野晴臣の祖父)の話から幻のマッカーサー道路や日韓トンネルまであるので参考と思われる箇所のみ紹介する。
最初で紹介されている「人気マンガのパロディ」が思わぬ事態に『コミックビーム』」というのは、月刊コミックビームに掲載された金森守人が描いた「ONE PEACE」や「鋼の錬金術師」のパロディマンガに集英社やスクエア・エニックスが抗議したため、版元のエンターブレインが雑誌を回収したという事件である。
日本はパロディに対する理解がなかなか進まないようでマッドアマノの「パロディ事件」にそれが端的に表れている。金森守人の場合、同人誌であれば問題なかったのであろうが一般の雑誌に掲載されたことが問題視されたのであろう。
日本は連句を見てもわかるように本家取りを得意とする国である。その精神をある意味マンガやアニメが一番汲んでいるはずであろうが、最近はそのへんのシャレが通じなくなっているようである。フェアユース的視点も大切であろうが日本のシャレの精神も見直した方がいいのではないか。
今から20年ほども前に商品化権資料センターにいた知り合いにディズニーは違法商品の訴訟に年間100億円もかけているという話を聞いたことがある。同時に巷で勝手にミッキーつかい告発されたという話を聞いていたが、この本を読んでそれが事実であったことがわかった。
時は1987年、滋賀県大津市の小学校で卒業生がプールの床にディズニーを卒業制作で描いた。それをディズニーが抗議し消させたそうで、当時新聞にも掲載されたらしいが見逃していたようである。一体どうやって大津市のプールの底に描いてある画の存在をディズニーが知ったのか。100億もかけているからであろうか。ピアノに鎖をかけたJASRACも凄いがやはりディズニーには敵わない。
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