音楽関連本3〜『ロック・ギタリスト伝説』(萩原健太/アスキー新書752円税別)
いい感じの『けいおん』の運指
これまたアニメとは関係ない本ではあるがつい買ってしまったのでご紹介したい。
強引なつじつま合わせであるが、音楽をテーマとしたアニメで何時も気になるのがギターを弾く際の運指であった。ディズニーの様なフルアニメならいざ知らず(それでも大変であるが)、TVアニメで音と指使いを合わせるのは困難の極みである。
そのせいか、ほとんどのアニメでは運指が無視されており(好んでやっている訳ではないだろうが)、リアルな表現は無理かとほとんど諦めかけていたが、さすがにギターがテーマの『BECK』の時には期待してしまった。しかしながら、結果はなかなか難しいのね、という感じであった。
そんな中、ピアノの森や野だめでモーキャプをつかった運指表現が出はじめた(ピアノですが)。これで格段に指の動きがジャストでスムーズになりずいぶんよくなったように思える。
そして、ギターもようやく『けいおん』で見られるようになったかと思える(サウスポーでベースの弦をつま弾く左手がカッコいい)。おそらく『かんなぎ』のOPで踊るシーンと同じく手間のかかる手法であると思うが(ライブアクション)少なくとも運指の描写に気遣う心配はしなくてよくなった(そうでもないかな)。
この本に登場するギタリストはクラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジはもちろんとして、ジミ・ヘン、サンタナ、B.B.キングなどギターの歴史に名を残す達人ばかりである。しかし、逆に決してこのような名人リストに挙げられない偉大なギタリストがいる。ジョージ・ハリソンとキース・リチャードである。
この両名、私が中学生の時くらいに聴いても余り上手とは思えなかった。マルチ・トラックが出るまでほとんど一発録りだったこともあり、よくギターのフレーズがチョチョ切れていた(ストーンズの『Tell Me』を参考にされたし)。
ところがある時、ジョージ・ハリソンを大いに見直す機会があった。確か中学2年生の頃だったと思うが、ビートルズが『ホワイトアルバム』というアルバムをリリースしたので早速買ったのである。すると、その中のジョージがつくった「While My Guiter Gently Weeps」のギターがメチャクチャカッコよく心底シビれた。
おそらくレス・ポールの音色だと思うが、むせび泣くようなギターのフレーズに、思わず「ジョージ!やればできるジャン(その当時は横浜弁を知らない北海道人であったので多分「できるべさ」だったと思うが)」と思った。
「能ある鷹は爪隠す」ではないが、何で今までジョージはこんな才能を隠していたのだろうと真剣に思った。だが、ずいぶんあとで(その頃、海外からの音楽情報が届くのはとても遅かった)実はそのギターがクラプトンであったことを知ってコケた記憶がある。当時のビートルズの制作実態(既にバラバラにレコーディングしていた)を知らなかったので4人でつくっていると信じて疑わなかったのである。
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