杭州アニメフェアについて思ったこと
それでは杭州アニメフェアについての感想を率直に述べてみたい。東京国際アニメフェアを第一回目からつぶさに見ていることもあってどうしても比較してしまうことが多いと思うがそのあたりはご勘弁願いたい。
1) 会場
アニメフェアの会場について受けた印象についてである。
□立地条件
杭州の中心地から10キロ余りの地点(蕭山区)での開催は悪い立地条件ではないが問題はアクセスであろう。電車や地下鉄といった公共輸送機関がないため移動手段は車やバスだけになる。空いていれば杭州駅から15分足らずなので快適である。
しかし、数万単位で会場を訪れる一般デーは大渋滞となる。それもあって今回宿泊は会場のあるテーマパーク内のホテルを取って貰ったが周囲には飲食施設もほとんどなく、毎食ほぼホテル内の同じレストランで食事することになった(ホテル内のレストランが少ない)。とにかく足の便が悪いという印象が強く残った。人口666万人を擁する杭州市の早期の地下鉄建設が望まれるところであろう。
□マーケット会場
肝心のマーケット会場は不思議な感じのつくりの建物であった。フロアーがABCに分かれているのはいいのだが、Aフロアーの下にBフロアーがあり、さらにその先の地下階にCフロアーがあるという構造なのである。それもあってか延べ面積では東京より広いはずなのにそれより狭く感じてしまう。これは地下フロアーの天井が低いせいもあるだろうが(普通のビルとほぼ同じ高さ)照明が暗いことも相まって窮屈な感じがしたのは確かである。
□インターナショナル対応
インターナショナルと打ち出してはいるが会場を見る限り英語対応も含めそうした配慮は余りなされていないのは、海外からの出展企業や訪れる人間が少ないこともあるが基本的に視線が内向きだからであろう。
一番立地のいいAフロアーをCCTVの様な中国を代表する企業が占めるのはいいとしても、今回出展した日本の企業ブース群はBブースの隅のあり余り歓迎されているようには見えなかった。というか徹底的に差をつけられるのである。それもあってか、このアニメフェアが果たして今後国際的なイベントになるか疑問を持たざるを得なかったのは確かである。
□ブースの状況
各ブースの状況であるが、一言で言うと密度が薄いという感じである。立体的な展示が少なく、単にモニターによる映像展示、あるいはポスターだけ貼ったブースも数多く見られた。大型ブースでも映像展示、あるいはコスプレショーなどしか見せるものがないというのが実情である。
その点、展示物(販売物)が充実し活気があったのが海賊物販業者というのが皮肉な現象であった。一般的に展示照明が暗く、音がバカでかく割れているというケースも多くセンスの欠如が感じられた。
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