お勧め、押井さんのゼッキョー本!
『勝つために戦え!』
押井守著/06年3月/エンターブレイン/各1,500円(税別)
『勝つために戦え!監督編』
押井守著/10年2月/徳間書店/各1,500円(税別)
『勝つために戦え!監督ゼッキョー編』
押井守著/10年2月/徳間書店/各1,500円(税別)
一冊目はエース特濃およびプロダクション・IGのwebサイトに連載していたもの、二冊目はコミックリュウ連載、三作目は全作が売れたので急遽語り降ろしで出版されたものである。
一冊目はサッカーの話が多いが、二冊目から俄然面白くなる。タブーなしのその舌鋒はジブリにまで及ぶ。ここまで書けるのは押井さんしかいないだろう。三冊目は実写世界の監督の勝敗論。読んでて凄く面白かったが映画が好きな人にはたまらないだろう。ただし、若い人はよくわからないであろうから、読んでからその映画を見て欲しい。
この本で言う勝敗論は映画の興行収入ではなく、監督が監督であり続けられためには作品をつくり続けられるかどうかが勝負だというもの。押井さんの言う通り監督は撮って何ぼのもんで、「監督 映画撮れなきゃ ただの人」である。
つくづく惜しいゴジ監督であるがもう多分もう無理かも知れない。周囲の人間、特にプロデューサーが自分より若くなり、彼らがゴジさんにメガホンを取らせてくれるかどうか考えるべきであろうが、今日日、殴られてまで映画を撮らせてくれるプロデューサーはいない。
以前、山本又一郎さんに一度ゴジさんとやらないのですかと聞いたことがあるが、才能は認めていたものの明確には応えてくれなかった。まあ、しんどいんでしょうね、きっと。
これだけ本を出せるのも勝ち続けている証拠か。
『押井守の映像日記 実写映画 オトナの事情』
押井守著/10年6月/徳間書店/各1,500円(税別)
こちらはアニメージュに連載されていたものをまとめたもの。「テレビで偶然見た実写映画をめった斬りしている」とのことでありその通りだが、これがなかなか面白い。最後のインタビューで『アバター』に触れているのでその感想を是非読んで欲しい。まあ、ここまで来ると押井さんもほとんど批評落語というか芸の領域に入ってますね。
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