『なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか』(萩原真/国書刊行会1,500円税別)
看板に偽りあり・・・・
余り悪口は言いたくないが、この本はちょっとないな。こういうタイトルなので評論かとおもったら宮崎作品を語ったエッセイ本であった。それでまずがっかり。
見出しに「四十秒でパズーは何をしたのか」とあるが、何が言いたいのか結論がよくわからない。そのような調子で全編貫かれている。「やまなし」「オチなし」「意味なし」である、トホホ・・・
きわめつけだが、タイトルとなっている「なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか」についての言及が1ページ半しかない。さらに「なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか」に関する本人の所見がない。
ではどういう結論になっているのかというと、「宮崎駿のオタク批判は単なる批判に終わっておらず、子どもの環境を良くしなければならないと主張している。だからこそ彼は保育園をつくった」ということなのだ。本を書いてまで言うことなのだろうか?
この種の本は宮崎監督にロイヤリティを支払うべきだ。キャラクターグッズと何ら変わらない。グッズそのものに価値があればいいが、ないものに関しては返金して欲しい。こういう本は紙資源の無駄遣いである。
久々の酷評炸裂ですね。
3年前の本ですが『宮崎駿の時代1941~2008』はお勧め。著者はこのブログでも取り上げられた『アニメが「ANIME」になるまで』の訳者です。
投稿情報: K96K | 2011/04/13 06:11