昨日の書評についてご意見も貰ったので少し書いてみます。通常ああいった悪口は書かないのですが、ご本人には何の恨みもありませんがさすがに今回はちょっとと思いました。
私のノンフィクション本の選択基準は「情報価値」です(小説や創作は違いますが。そして仕事柄宮崎監督の名前が付いた評論は目に付く限り買わなければならないという宿命を(勝手に)負ってます。
しかし、当たり外れが多いというか(外れの方が多のですが)情報として得られるものがほとんどない書籍が。宮崎監督の名前を借りて自分語りをしたいのでしょうが、付き合わされた方は堪りません。なぜ監督の作品があれほど多くの人間の注目を集めるのか、その本質的な部分が分かってなければ評論は出すべきではないと思います。ジブリなら売れそうだからというのは勘弁して欲しいです。
今書いてる本にジブリが登場しますがアニメ企業に触れた章があるので外すわけには行きません。本来宮崎監督について語るのは難しいです。企業としてのジブリについては書きましたが宮崎監督については書いていません。もし私が宮崎監督について書くなら、ずばり『宮崎映画は何故あんなに人が入るのか』でしょうね。身も蓋もないテーマですがこれについて誰も解き明かしていません。要するに「国民映画」となっている訳ですから、時代精神とどうマッチングしたのかを解明しないとダメだと思います。
まあ、宮崎映画も幾つかのティッピングポイントはあるんですね。ビジネス的に言うとやはり東映から東宝に移ったのが大きいのではないでしょうか。鈴木さんの逆鱗に触れた東映の人、国民的映画に導いたポイント高いです(笑)。東映的には最悪でしょうが(笑)。宮崎さんと鈴木さんが引退したら挑戦します(笑)。
と、長々書いてきましたが、要は「金返せ」と言いたいだけです(笑)。自分の金で勝ったからそれくらい言ってもいいと思います。ネット社会になると中身を見ないで買うのでこういうことが結構あります。リアル店舗だったら買ってないと思いますが、多分リアル店舗ではこの種の本に遭遇するのは難しいでしょう。本を置く場所もないので電子書籍で価格が安くなれば、まあ許してもいいかな。
そういえば『出版大崩壊』を読んだら明らかな間違いがありました。「原画を数百枚描いても月に10万円」というのがそうですが動画の間違いです。原画を数百枚描いたら月収200万位になります(笑)。動画と原画の違い、アニメーターの職制(自営業)、職業キャリアについて知らないので仕方ないと思いますが、こちらもそろそろ勘弁して欲しいと思います。アニメの職業についての本も執筆したいと思ってますのでしばしお待ち下さい。
>ビジネス的に言うとやはり東映から東宝に移ったのが
えと、トトロは東宝系ですが惨敗でしたね。
『姫』の頃からナショナリズムをうまく興行におとしこんだのは巧い。
投稿情報: K96K | 2011/04/13 14:42
アニメの職業について、アニメーターと声優については語られる事が多いし(賃金含めて)、演出や脚本はインタビューなども多いですが(賃金は全く聞かない)、それ以外の職能についてはほとんど触れられる事がありませんので、網羅した書籍があったら是非読みたいです。
(例えば「制作進行は重要だ!」って話はたまに聞きますが、実情についてはほとんど見かけませんし)
投稿情報: 浅倉卓司 | 2011/04/13 22:29