『もっとわかるアニメビジネス』解説〜第一章アニメーションとビジネス7
アニメスタジオの存続・継承〜アメリカ
アニメーションとビジネスの歴史であるが、アメリカで経営(資本)が継続しているアニメスタジオはディズニーくらいなものである(メジャースタジオの中でも)。ドリームワークスはまだその途上。刻むほどの歴史がまだない。
かのハンナ・バーベラであっても、彼らが最高潮の1966年に、シンシナティをベースとした地方局であるタフト・ブロードキャスティングに120万ドルで株式を売却している。それから、グレート・アメリカン・コミュニケーションズに売却され、1991年にターナー・ブロードキャスティングに買収された。その間もジョー・バーベラとウィリアム・ハンナ一貫して経営者の椅子にあったが、これはアニメという特殊な制作事情があったからであろう。
ポール・テリーも1917年に自分のプロダクションを設立して以来、マイティマウス、ヘッケルとジャッケルなどのヒットを飛ばしながら順調にスタジオを存続させていたが、1955年突然自己のライブラリーをCBSに売却してしまった。
ワーナーのアニメーションを支えていた、レオン・シュレジンガーのプロダクションも1933年に設立し、44年にワーナーに売却している。
まあ、これらは常に一番の売り時を考えているというアメリカ人ならではの考え方であろうが、それにしても存続し続けるアニメスタジオは少ないのである(うまくスタジオを売り抜けられたのはラッキーな人々。可哀想なのはマックス・フライシャーで、売却どころではなく1941年にパラマウントにスタジオを乗っ取られた)
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