『もっとわかるアニメビジネス』解説24
〜第四章&五章「激動の10年 テレビアニメ篇 劇場アニメ篇」1
アニメビジネスの中心に存在するもの1
「映像生態系」とは
さて、第四章である。ここから三つの章に渡り「激動の十年」として、テレビアニメ、劇場アニメ、パッケージ等のビジネス動向を追っている。最初はまずテレビアニメであるが、劇場アニメとも関連するので四章と五章まとめて解説することとする。
ここでは色々な角度で、何故日本のアニメビジネスの中心がテレビであるかが述べられている。まあ、日本でテレビアニメを制作していないのはジブリくらいだということを考えてもわかるが、とにかくビジネスの中心に位置している。では、何故このような状況となったのか。
それは「映像生態系」を考えると理解できる。この映像生態系は私の造語であるが、要は映画、テレビ、ビデオ、配信といった映像メデイアの体系であり、言葉を変えるとウィンドウと言うことも可能である。
そして、その映像生態系の頂点に何が位置するかとなれば、国によって事情は異なるであろうが、やはり映画であろうか。それを測る尺度として、クオリティ、情報発信力、伝播力などがあるかと思うが、クオリティの観点から見ると映画、情報発信力・伝播力から言えばテレビである(最近は配信かも知れないが)。
また、国によっても事情が違ってくる。アメリカは映画、日本は圧倒的にテレビが強い(まあ、アメリカのメジャースタジオのトップも、ほとんどが放送出身になっているし、ディズニーの売上の半分はテレビ部門なのであるが、やはり最先端の情報を発信しているのは映画)。その証拠に、アメリカではスタジオが放送局を買収する立場にあり、日本は放送局が映画を製作している。
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