第六章「激動の10年 その他篇」海外販売4
All Nippon Entertainment Works4
ハリウッド原作事情
これだけ見ると、All Nippon Entertainment Worksの仕事は何やらハリウッドのタレントエージェントが行っている「パッケージ」業務のような感じもする。「パッケージ」とは脚本、監督、俳優までセットとなっている映画企画のことであるが、これによって付加価値を付け、単に原作だけを売る以上の利益最大化を目指しているのであろうか。
このパッケージの実現性が高いのはスタジオにとって便利というのは勿論だが、
強力なタレント(監督、俳優)をエージェントが抱えているからである。All Nippon Entertainment Worksの場合、タレントに相当するものは原作ということだが、果たしてそれが決め手となり得るのであろうか。
そもそも、普通、欲しい原作があれば相手が自分のお金で企画開発を行う。今回は、要するにこちらからの持ち込みであるので、毎週何百、何千とメジャースタジオや制作会社に持ち込まれる脚本と同様の扱いになる。原作の権利処理までしてあることは優位性があるが、他の脚本もその時点では無料で書かれたものである。
また、日本の原作が現在北米を中心とするワールドワイドで展開出来るものとして適切であるかどうかについても、やや疑問である。「ポケモン」旋風が去り、『リング』『呪怨』に続くハリウッドリメイクものの軟調といった現状で、日本のIPに対するニーズがそれほどあるのか?(『トランスフォーマー』があるが、あれは完全に権利がアメリカサイドのプロパティとなったのが確認されたのでGoしたのであろう)
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