2011年アニメビジネス動向回顧7
【10大ニースNo.4:変わる業界地図3〜明確化する企業格差、加速する企業統合、新興勢力の台頭】
加速する企業統合
2007年の『アニメビジネスがわかる』で予測していたことだが、企業の統合が次第に加速して来た。トムスが親会社の完全子会社になったのは一昨年であるが、今年に入ってアニメスタジオを中心に様々な変化があった。
以下、その主な案件を挙げてみる。
・ 日本テレビ マッドハウスを子会社化
・ スタジオディーンにカプセルトイや玩具、トレーディン・グカード販売を展開するイマ・グループが出資
・ ブロッコリー、全店舗をアニメイトに譲渡
・ AICが携帯端末向けソフトウェア開発会社アプリックスの子会社になる(昨年9月にパチスロメーカーのオーイズミ傘下となったばかりだった)
・ 角川グループ メディアファクトリーを買収
この中で最もインパクトがあるのはやはり角川グループのメディアファクトリー買収であろう。既に出版業界で売上NO.1となった角川であるが、これによってラノベは断トツのシェアになり、そこから派生するアニメに関しても大きな影響を与えるものと思われる。まだ実質的な統合作業は行われていない様であるが、その動向は大いに注目されるであろう。
アニメスタジオに関してであるが、マッドハウスは現在の社長、会長は共に日テレ出身者であり、完全な日テレ系列企業となった。今までの様な冒険は出来なくなるであろうが、コーポレート的な堅実性はかなり高まることとなるだろう。
スタジオディーンは創業者の考えであろうがイマ・グループの傘下となった。今までアニメ業界を支え続けてきた世代もどんどん高齢化してきているが、スタジオの存続を廻り様々な動きが出てくるであろう(AICの動きについてはよくわからない)。
いずれにせよ、現在の業界の状況を考えると今後この傾向は一層促進されると思われる。
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