2011年アニメビジネス動向回顧8
【10大ニースNo.4:変わる業界地図4〜新興勢力の台頭1】
2000年代以降に誕生した新興勢力1/2000年〜2002年
「60年代体制」が続くアニメ業界であるが新興勢力も確実に生まれている。尤もほとんどが60年代に生まれた企業の流れを汲む人間が設立した会社なので、ある種「孫会社」的であるが、それらの会社が確実に力を付けている。
以下は、2000年以降誕生して元請としての実力を蓄えてきたスタジオである。
【2000年設立】
〈ufoテーブル〉(10月)
最近活躍が目立つufoテーブル。創業者の近藤社長はトムス、テレコムアニメーション(今の社屋はテレコムがかつて使用していたとのこと)を経ての独立であるが、アニメ制作だけではなく、徳島の「マチアソビ」での活躍も見逃せない。1969年生まれというからまだ40代前半。一度お話を伺ったことがあるが、エラく勢いがある人で業界のリーダーカンパニーなりうるかどうか注目されるところである。ここも基本はワンラインカンパニー。
〈ピーエーワークス〉(11月)
ufoテーブルより遅れること一ヶ月後に誕生したのが、富山の雄?、ピーエーワークスである。創業した堀川社長はタツノコ、プロダクションIGを経ての創業。四十代中盤、脂の乗り切ったところ。作品とその制作ペースを見る限り一作入魂主義である。元請作品に関しては一年に一作というワンラインカンパニー。
【2001年設立】
〈DLE〉12月
従来のアニメスタジオとは一線を画すビジネスモデル(そもそも、一貫して山の手線の内側に所在というのが大きく違う)を持つDLE。元ソニーピクチャーズにいた椎木氏が創業、フラッシュアニメを武器に現在も精力的に展開中である。
【2002年設立】
〈マングローブ〉(2月)
サンライズのプロデューサーだった小林真一郎氏、河内山隆氏が創業したスタジオ。基本はワンライン系であったがここ2年ほどは作品が増えつつある。
〈セブン・アークス〉(5月)
『魔法少女リリカルなのは』シリーズで知られるセブン・アークスは2002年の創業。ぴえろにいた上村社長が設立したとのことだが、こちらも作品に関しては年一作のワンラインカンパニーである。最初の『サムライチャンプルー』から元請であるが、最近になって作品が増える傾向にあるようだ。
〈feel/フィール〉(12月)
ぴえろの制作であった瀧ヶ崎社長らが設立したスタジオ。グロス請や制作協力(実質的な制作会社)を経て最近元請となった模様。
2003年以降は次回。
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