2011年アニメビジネス動向回顧9
【10大ニースNo.4:変わる業界地図5〜新興勢力の台頭2】
2000年代以降に誕生した新興勢力2/2003年〜2005年
【2003年設立】
〈NOMAD〉7月
ノーマッドはマッドハウス出身者による数少ない起業例である。社長はマッドのプロデューサーだった通称小野達こと小野達矢氏であるが、以前はぴえろにいたとのこと(マッドには結構ぴえろ出身のプロデューサーが多かった)。年齢は40代後半か?独立して割と早い時期から元請をやっていたが最近は制作協力が多いようである。従業員36名とあるから中堅スタジオである。
【2005年設立】
〈A-1 Pictures〉9月
満を持して?登場するのがA-1 Picturesである。このスタジオについては説明するまでもないと思うがアニプレの子会社。鳴り物入りのスタートで初期登用人員を巡りアニメ業界に波乱をもたらしたようであるが(SONYが他業種に参入するときの定石)、従業員47名となった現在では準大手といった規模か。
もともとアニメ業界では社員は少ない(固定給、各種会社が加盟する健康保険、雇用保険、厚生年金など)。どこでも管理と制作人員程度で、監督以下は契約(基本固定給・月額拘束、ほとんど社員に近い長期雇用契約からワンショットの契約まで。条件的には各種会社が加盟する健康保険か国民健康保険、厚生年金か国民年金)か委託(出来高、あるいは月額拘束、国民健康保険、国民年金)ので「社員」は、大手を除けばどのスタジオも同じくらいである。既に3カ所にスタジオを構えているようだが、今年はもうひとつ増えるとも聞く。ここ2年ほどの作品数、しかもオリジナルを目指すとあれば今後の拡大路線は続くものと思われる。
なお、ここは原画の回収に車をつかわないとのこと。電車のある時間に原画回収をしているとのことで、これもひとつの見識であろう。
〈ディオメディア〉10月
今はなくなってしまったグループ・タックの制作出身須賀氏が『大魔法峠』2005年に興したのがスタジオバルセロナ。2006年にシャフト出身の小原氏が取締役社長に就任。2007年に「ディオメディア」に改組。年1~2作の元請をやっている。
【2006年設立】
〈カラー〉5月
この会社については今さら説明の必要はないであろう。今年の秋を待つばかりか。西新宿が本社とあるが、西荻窪にもスタジオがあり拡大しつつあるようだ。これは未確認情報だが、夏の恒例東京都美術館ジブリプロデュースイベントのテーマはどうやら「特撮」らしい。それも庵野氏が大きく関わっているらしいということだが、もし本当ならビッグニュースである。もし特撮ならいつもの1,000円(前売り)の入場料は格安である(今回は違うかも知れないが)。秋の公開を前にいいプロモーションになりそうだ(カラーのHPに行ったら円谷英二の特撮を手がけた井上泰幸の『特撮映画美術監督 井上泰幸』(キネマ旬報)が紹介されており、思わず買ってしまった)。
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