2011年アニメビジネス動向回顧14
【10大ニースその5:パッケージは前年度割れを食い止めるか?】
実は増加しているアニメ映像流通
さて、よく話題となるのがパッケージ減の話。海外と比べると日本は健闘しているが、2000年代中盤から急速に下がりはじめ歯止めがかからないと思われていた。
しかし、2010年、2011年の数字を見ると、どうも下げ止まりの傾向が出てきたようである。2010年は前年比103%、2011年に関しては11月までの数字であるが前年比DVD94.1%、ブルーレイ128.7%、併せて98.7%というので善戦していると言えるであろう。
ちなみに、音楽パッケージも同様の傾向にありパッケージは前年比99%であった(CDは前年比94%、DVD前年比120%)。音楽DVDが頑張っているということであるが、音楽とアニメで異なるのが配信売上である。
音楽では2010年から配信売上が減少傾向に転じた。それに対しデータはまだそろわないものの、実際配信ビジネスを行っている立場から推測するにアニメは増加傾向にあると思われる。
そこでハタと思い当たったのであるが、このことを考えるとアニメの映像流通という意味では増えているのではないか。今までパッケージと配信を分けて考えていたが、「映像流通」という意味では経路が違うだけの話。全体を考えれば流通量は伸びているのだ。
問題は配信がどこまで伸び続けるかである。音楽において配信の成長は10年間持続しなかった。アニメもそのようになるかどうかは分からないが、仮に10年近く成長が続けば、パッケージ売上次第であるが流通量は増えるとも考えられる。今後はパッケージと配信を併せた「アニメ映像流通売上」で考えることも検討しなければならないであろう。
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