『マンガの方法論3マンガのネタ』
(六田登/朝日新聞出版1,890円/2011年1月)
本書はアニメビジネスがわかる218で書いた柳沢きみおの『マンガの方法論1おれ流』に続く一連のシリーズであるは、これらの作品を読み続けながら共通点はどこにあるのかと思ったら、行き当たったのが「京都精華大」であった。これらの著者は押し並べて精華大学で教えており、かつ編集者もそうであった。要するに精華大学の一石二鳥?本なのである。
閑話休題(それはともかく)。
このシリーズを読んで感じたのはマンガ家になる人はどういう人か。また、職業としてのマンガ家とはどういうものか、ということである。「年間1,000人のマンガ家がデビューし、10年後に残っているのは3名」と言う柳沢きみおであるが、六田登は次のように述べている。
「マンガをひとたび職業として選択したら、こんなリスクの高いものはない。実際問題、できれば選ばない方がいい世界だ。どんな小さい会社でも、そっちの方が圧倒的な安定感がある。マンガ家は、職業としては成立していないのだ。ここ何十年かたまたま職業であるようにしてふるまってきたけれど、そんなのはまやかしだ(いったい何人の新人が消えていったと思う?)
(中略)
結局、マンガ家とは職業ではなく、マンガ家という「生き方」だと言うしかない。
生き方だとするなら、そこに終わり無い」
マンガ家という生き方を貫き通して来たこの言葉は、何だか赤木軍馬を想い出してしまった。
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