(2013年4月/板越ジョージ/ディスカヴァー携書1,050円)
前回日本のアニメ輸出額が意外と少ないという話をしたが、これでも、輸出金額でいうと日本の映画やテレビ番組より多いとのことなのであるものの如何にも寂しい気がする。さらに、05年をピークとして数字が下がっていることも気になるところである。
この売上数字の低減に関して理由は明確で3つある。まず、最初に言えることはポケモンショックの沈静化である。ポケモンはゲームの出た1996〜2005年の10年で区切ると(アニメ放映は1997年から)、おそらくミッキーを超える史上最大の瞬間風速を持った超強力キャラクターであった。
このポケモン旋風は記憶にある方も多いと思うが本当に凄かった。特に象徴的だったのがポケモンの劇場一作目『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が何と北米BOX OFFICEで一位を取ったことである。
もちろん、日本映画としては初めて、アジア映画としても最初である。このBOX OFFICEで一位の印象は映画の国アメリカの業界人に強烈に焼き付いたはずである(もちろん日本人にも)。
そのため、1990年代末から、それまで歯牙にもかけられなかった日本のアニメに対して、アメリカのメインストリーム(ディズニーなどだが)に位置するスタジオが真剣に購入等を検討するようになった。90年代末から00年代初頭にかけて彼らは日本のスタジオへ度々足を運ぶようになったのは、それは全て「第二のポケモン」を探すためであった。
その結果、可能性があると思われた日本のアニメが買われたのであるが、そう簡単に「第二のポケモン」は誕生しなかった。それもあって00年代中盤から次第に沈静化し売上が落ちて来たのである。これが最初の理由。
二つ目の理由はパッケージ販売が壊滅的打撃を受けたことである。
(次回に続く)
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