ソニー・ピクチャーズ・イメージ・ワークス
それで、ソニーピクチャーズ・イメージワークス(SPIW)である。この本を取り上げたのはこの話をするためであったのだが、随分引っ張ってしまった。
アメリカの劇場アニメはほぼ100%CGIとなりつつあるが、その制作についてはドリームワークス、ピクサーの二強を中心として、次いでブルースカイ(FOXの作品を多数制作と最近ようやくヒットが出はじめたディズニー(本体。といってもジョン・ラセターが見ているのでピクサーと同じと言えるかも知れないが)、そしてだいぶ落ちてSPIW、それに最近急激に成長しているイルミネーションスタジオといったところにほぼ収斂される。
そして、本書にSPIWが登場するのである。1992年の設立のSPIWは最初は鳴かず飛ばず。そんな会社をソニーでデジタル関連新規事業の責任者だった筆者が担当するが、親会社に技術を理解出来る人間がいたことはSPIWに取っては非常にラッキーであった。
筆者のSPIWに対する方針は劇場アニメ作品から実写映画VFXへの主軸転換である。SPEの子会社という環境を考えると賢明な選択で、その甲斐あってSPIWは筆者の在任中から、『スターシップ・トゥルーパーズ』『ゴジラ』『スチュアート・リトル』作品のVFXを担当することで名を上げることに成功。そして、『スパイダーマン2』では遂にアカデミー視覚効果賞を獲得するまでに至り、今ではILMと並ぶハリウッドを代表するVFXスタジオとなった。
しかしながら、その割にSPIWの名前が浮き上がってこないのは、VFXを強化した分、劇場アニメーション作品が立ち後れたからであろう。そのSPEのフルCG劇場アニメーション第一作は2004年の『ポーラエキスプレス』であるが、このゼメキス作品はヒットこそしたがSPIWのオリジナルではないこともあり、対象外。
それで、その次が2006年の『モンスター・ハウス』(見た人いますかね)ということになるが、この年は劇場CGアニメーションバブルのはじまりとなったということもあり、また当時はまだCGアニメーションに希少価値があっため北米BOX OFFICEで1億4千万ドルという上々のスタートを切ることが出来た。
http://bd-dvd.sonypictures.jp/monsterhouse/
次回に続く。
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