(2013年10月/野副正行/新潮社税別1,200円)
SPIWの戦略は?
『モンスター・ハウス』で好スタートを切ったSPIW(ソニー・ピクチャーズ・イメージ・ワークス)であるが、この時はスタジオ名がクレジットされておらず、ほとんど印象に残らなかった。そして、次の作品から苦戦がはじまる。
SPIWに取って実質的な第一作目は2006年の自社ブランドのオリジナル作品『オープン・シーズン』であると言ってもいいであろう。しかしながら、こちらは不発で7,370万ドル止まり。日本は5.3億円。『モンスター・ハウス』が上回ったのはゼメキス、スピルバーグなどが製作総指揮をやっていたブランド力からか。
第二弾が2007年『サーフズ・アップ』は、こちらも北米は8,500万ドル。日本では人気絶頂の小栗旬君が吹き替えをやったのにもかかわらず3億円。ここで少しまき直しをかけたのかも知れないが、2009年『くもりときどきミートボール』でようやく大台の1億ドルに乗せて1億2480万ドル。が、日本は5億円以下(推定)といったレベル。
そして4作目2011年の『アーサー・クリスマスの大冒険』は不発に終わり4,640万ドル。これも日本はおそらく5億円以下。そして2012年『モンスター・ホテル(ホテル・トランシルバニア)』は1億4830万ドルと復活。しかし、日本はおそらく5億円以下。
そして、今年は『くもりときどきミートボール2』が1億1500万ドル。日本はこれからの公開だが、それほど期待はかけられないであろう。行きそうでなかなか行けないSPIWの今後の戦略は果たしてどのようなものであろうか。また、日本での展開も要検討であろう。果たしてピクサー、ドリームワークス、ディズニー、イルミネーションに続くブランドとなれるかどうか
それにしても貴重な経験をした筆者は日本の映画界で活躍して欲しいと思うのであるが。
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