(2013年9月/岡田斗司夫/Kindle版99円)
手軽で読みやすいKindle版
こちらは、『「風立ちぬ」を語る〜宮崎駿とスタジオジブリ、その軌跡と未来〜』の前に出ていた電子書籍。2013年9月2日ニコニコ生放送『ニコ生岡田斗司夫ゼミ9月号「進撃の巨人」「風の谷のナウシカ2」を推理する』の放送を書籍化したもの。
ここにも豊かなインサイダー?情報とそれに基づく楽しい憶測が一杯。「まっこと宮崎駿は面白か人ぜよ」、と思わず言いたくなる本である。値段が値段なので軽い気持ちで一読して見ては如何か。
ということで、以下私の宮崎監督の引退憶測。なぜ宮崎監督は長編劇場アニメからの引退を表明したのか。これは、いずれ必然的にやって来るジブリの台所事情を予感してのことではないか。
ジブリはアニメスタジオとしては大所帯である。日本で一番大きいのはもちろん東映アニメーション。売上336億、従業員単体309名、連結538名。どこまでを従業員とするか明らかにされていないが、東アニの場合、製作現場以外の社員(管理、営業、版権、イベント、販売・通販、海外)といった職制が多いので、一般のアニメスタジオ的な「従業員」という概念で考えると、それ以外の契約、フリーなどのスタッフなどを含まれるので、連結で1,000名、単体で数百人といったところであろう。
これに続くのがトムス(166名/HPより)、サンライズ(224名)、ジブリ(300名)、プロダクションIG(120名)、ぴえろといったところである。ジブリは別として、各社ともそれほど作品数が変わらないのに従業員数のバラツキが見られるのは、おそらくその定義が違うのではないかと思われる。つまり、現場での月額や作品毎の委託契約の人間までを含むか含まないかといったことであるが、いずれにせよ目を引くのがジブリの従業員の多さである。
次回は、「番外編〜宮崎監督はなぜ引退したかについての私的推論」。
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