深夜アニメの新ビジネスモデル
2013年アニメビジネス関連ニューズ9位〈まどかマギカ大ヒット〉であるが、この成功がもたらした意味は大きい。つまり、深夜アニメの新しい成功モデルが明確に提示されたということである。
劇場アニメにおいて、今までジブリ作品とキッズ・ファミリー定番アニメ劇場版以外の作品が興行収入10億円を超えることは希であった。これが意味することは、要はファン向け作品の動員限界は80万人程度ということである。
それは、かの大作『イノセンス』と『スチームボーイ』によって実証されたのであるが、これを『映画 けいおん!』が打ち破ることで、ファン向けの劇場動員がキッズ・ファミリー定番アニメ劇場版を超える可能性を示した。
そして、今回、けいおん!より明らかにマニア向けである『まどマギ』が18億円(現在進行中)という数字を打ち立てたことで、深夜アニメの新しいウィンドウ・成功モデルが確立されたと言ってもよいであろう。
これはパッケージ依存であったファン向け作品に取っては大きな朗報である。700億円代半ばを維持しているパッケージセル市場の奪い合いであったファン向け作品に、劇場版による興行収入(とグッズ収入)という新しいウィンドウ、ビジネスモデルを提示したのである。
深夜帯放映、パッケージで回収というパターンに、劇場が加わった。従って、今後はMXで関東広域圏→阪名+α地域をUHF局でカバー→パッケージで製作費回収+α利益→そして劇場版で余剰利益、というのが勝ち組のモデルとなるであろう(既にパターン化しつつあるが)。
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