『日本アニメクラッシックコレクション』
(デジタル・ミーム/DVD4枚セット/約355分)
今回はDVDである。
『日本アニメクラッシックコレクション』は1928年(昭和3年)から1950年(昭和25年)までの日本の古典短編アニメ56編余りを4枚のDVDに収録したアニメコレクションである。
日本のアニメの発祥は1917年(大正6年)であるが創世記の頃のフィルムはほとんど残っておらず現存するのは昭和以降に制作されたものが多い。その意味でこのコレクションは戦前から戦後にかけての日本のアニメの状況がほぼわかる。
とは言えこのコレクションには戦前のアニメの到達点を示す政岡憲三の『くもとチューリップ』(1947年)や瀬尾光世『桃太郎海の神兵』(1945年)は残念ながら収録されていない。それらの傑作を含めテレビアニメ以前の日本のアニメについて体系的に見たいと思うなら紀伊國屋書店が発売している『日本アートアニメーション映画選集』(全116作品/DVD12枚/計1,334分)がいいが、何せ価格が36万円もするのでとてもお勧めできない。
その点、『日本アニメクラッシックコレクション』は作品や分数から考えてもかなり格安である(定価13,440円、アマゾンなら10%OFF)。作品的には村田安司のものが多いが政岡憲三や瀬尾光世の作品も見ることができる。詳しい作品概要は発売元のデジタル・ミームのHPを見るとよい。
http://www.digital-meme.com/jp/our_products/new_releases/4dvdset1.html
私は、大学院で「アニメーションビジネスのプロデュース業務」の研究をしております、修士1年の学生であります。
本書を購読させていただきました。アニメビジネスの参考文献、先行研究は少なく、特に数字を詳細に書かれているものはほとんどありません。本書は、大変参考になる文献であり、研究に役立たせていただいております。本書にも書かれていた通り、数時やデータを公表しなければ、研究や議論は進まず、ビジネスの体系化が進まず、日本のアニメーション業界の発展が遅れている原因であると考えております。
現在のアニメ業界は、LLPやファンドの活用などが行われるようになり、改めて、本当のビジネスとしての日本アニメビジネスの仕組みを考え始めた、初期段階の時期なのだと考えております。
今後とも、本書やブログを拝見させていただき、研究の参考にさせていただきます。
投稿情報: じゃば | 2007/10/09 22:31