2007年を振り返る⑤〜新作TVアニメ減少傾向その2
企画が実写にシフトしている?
新作TVアニメが減った原因として幾つか上げられるが、確実にひとつ言えるとすれば、従来なら最初にアニメになっていたような作品が先に実写化されるケースが多くなったことである。これにはCGの発達や、マンガが実写映画やTVドラマの原作として頻繁につかわれるようになったことが大きい。
まずCGの発達にについては、当初アニメ企画だった『パイレーツ・オブ・カリビアン』が実写になった時から既に予測されていた。『三丁目の夕日』もCGなしで実写化は実現しなかったであろう。
今では『キューティ・ハニー』のように、アニメのリメイクは実写化が当たり前となっている。『トランスフォーマー』の成功をきっかけに、ハリウッドでは『スピードレーサー』『ドラゴンボール』などが実写化されるが、これらが結果を出せばこの傾向に一気に拍車がかかるであろう(本来は日本でやらなければならないことであると思うが)。
また、マンガ原作がアニメの前を素通りしてゆくようになった。今までなら確実にアニメ化が最初にあるはずの、例えば『NANA』『のだめカンタービレ』『DEATH NOTE』といった作品も実写化が先行するようになった。
これは、テレビ業界も映画業界(その内実はテレビ局であるが)もマンガに対するアレルギーが全くなくなったためであろう。リメイクの実写化同様、今後もマンガ原作の実写は増えるものと思われる(それにしても『風魔の小次郎』までが実写とは驚いた)。
もうマンガのヒット作品が自動的にアニメにシフトしてくる時代ではなくなっている。そんな状況の中、アニメ製作・制作者はアニメ化に最適な原作、キャラクターを考えるか、あるいはリスクは高いがオリジナル原作を模索するかという時代に入ってきている。(この項続く)
コメント