〈手塚治虫とアニメ〉アニメの繁栄を築いた手塚治虫
手塚治虫以降のアニメ1〜予算50億のTVアニメ?
人員、技術の他に製作費も大きな問題であった(アニメ制作の場合、ほとんどが人件費なので人員増、制作日数増がそのまま制作費増に直結する)。
東映動画の劇場アニメはほぼ90分で予算は約6,000万円であり、単純に計算すると30分番組で2,000万円の計算になる。それを年間50本つくるとして合計10億円。公務員の初任給が15,700円(1962年)の時代だから、現在の給与ベースで考えると100億、物価ベースで考えても50億円という予算になる。
いまのアニメの年間製作費は年50話で5〜6億円(キッズ・ファミリー向けの場合)であることを考えればとてつもない金額となる。
もちろん、劇場アニメのクオリティでTVアニメを制作することは現実的には有り得ない話であったが、その当時は前例がないだけに制作費の基準をどこに置くから非常に難しい問題であった。
1話当たり250万円、いや500万円かかると諸説があったが、要するにやってみないとわからないというのが実情であった。このような状況にあってTVアニメを制作すると聞けば、誰もが正気の沙汰ではないと思ったのは当然であったろう
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