『文化に投資する時代』(亀田卓+寺嶋博礼/朝日出版社1,300円税別)その1
エンタメコンテンツ関係者必読の本
銀座で待ち時間を潰そうと思って教文館に入って見つけた本である。奥付を見ると発売から一ヶ月以上見逃していたことになり大失敗であった。エンタメコンテンツ関係者及びその志望者には必読の本である。
奥田氏とは面識はないが、アスミックエースの寺嶋さんとは彼があおぞら銀行でコンテンツ投資をやっていた時代からのお付き合いである。勝率7割の伝説的エンタメ投資マンであり、誘われてファンドをつくり2作品ほどご一緒させてもらった。寺嶋さんの指導宜しく、その二つは勝率7割の方へ入れてもらえたようである。
さて、本書は前半を亀田氏、後半を寺嶋さんが担当しているがビジネスとしてのエンタメを考える上で非常に参考になる。まず、亀田氏のパートをご紹介しよう。
広告代理店に勤務していた亀田氏は金融機関の担当となり、猛勉強の末ファィナンシャル・プランナーの資格を取得。銀行担当の営業として活躍する中、巡り会ったのが「エンタティンメントの証券化」である。
この本で知ったのだが、亀田氏はベビーフェイスのコンサート、日韓共催ワールドカップの時国立競技場で行われたパブリックビューイングを証券化した人だったのである。もちろん、両方とも日本で最初の取組である。
広告会社からエンタメを取り扱う証券会社に転籍、そして現在は故あって再度広告会社で働いている亀田氏であるが、何より面白かったのは金融業界とエンタメ業界の人間の違いについての分析であった。私もかねてより金融(IT業界も)の方々に対して違和感を持つものであったが、亀田氏にずばり指摘されて明確にそれが理解できたのである。
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