第六章「激動の10年 その他篇」海外販売1
All Nippon Entertainment Works1
All Nippon Entertainment Worksという存在
今回から第六章の「激動の10年 その他篇」に入るが、忘れないうちに書いておきたいので、まず海外販売について書いてみたい。本文とは直接的な関係はないが、日本の海外展開が抱える問題を多く含んでいるものと思われるため、まとめて置きたい。
少し前(夏)であるが、All Nippon Entertainment Worksの発表があった。アニメの海外展開とも大いに関係があるので、ここで触れてみたい。
以下、経産省のプレスリリースを丸コピー。
と思っていたら、11月3日(木)の朝日新聞第一面に「日本政府 ハリウッド進出」という見出しで記事が書かれていたので、プレスリリースは次回としてその内容に触れたい。
記事の趣旨は、ハリウッドで日本のコンテンツ(アニメ、実写映画等)が映画化されているが、日本サイドが映画化権など様々な権利を手放しているため、ヒットしても日本側の利益につながらなかったので、「アニメ・玩具の映画化目指す」(小見出し)ということだと思うが、これ自体が既に論理矛盾を含んでいると思うのだが如何であろう。
要するに映画化検討の権利を手放したから利益を最大化出来ていないということなのだろうが、このAll Nippon Entertainment Worksの目的自体が、日本のコンテンツのハリウッド映画化にあり、その際に、ハリウッドは映画化するに当たって当然映画化権を取得するはずである。それとも、映画化権は自分たちの手元に置いたまま映画化させる方法があるのか?(ないと思う)
All Nippon Entertainment Worksがハリウッドで自ら映画をつくる訳ではないのは明らかだ。何せ予算は60億円。これじゃ、ハリウッドのスタンダードレベルの映画を一作つくってお終いである。従って、あくまでハリウッド資本での映画化が目的であり、ハリウッドが映画化権を取得するのを前提するならば、既にこの段階で論理矛盾を含んでいて、このプロジェクトがどうやってジャパニーズコンテンツの利益最大化を計るつもりかが分からなくなってくる。
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