第六章「激動の10年 その他篇」海外販売8
人気と収益のジレンマ
『もっとわかるアニメビジネス』における海外販売に戻る。ここで述べられているのは、要は売上が減っているという事実である。東映アニメーションの決算を見てもそれは明らかであり、それを以てアニメ業界全体を語ることは出来ないが、その傾向にあるのは確かである。
この海外販売においては、人気と収益のジレンマが如実に感じられる。本文で述べられているように、日本のアニメは世界中で人気を得ている。しかし、しかし、しかし・・・、なのである。
昔であれば、NARUTOの制作スタジオであるぴえろは新しい自社ビルのひとつでも建てておかしくはない。何せ世界中で人気を博しているのである。それ位は当然のハズなのであるが、どうもそういった気配はない。
東映アニメーションをはじめ、おそらく各社海外販売売上は減っているはずである。ポケモン以降、それを上回るヒット(ポケモンクラスのヒットは30年に一度か?)がなかったから当然と言えば当然であろうが、如何にも淋しいものがある。
ネットの時代、デジタルの時代になって否応なく急激な変化に見舞われているアニメ産業。回収力の弱い海外でその影響がモロに出ており、それに対応出来るビジネスモデルの構築を早急に行わなければならないのは明白である。
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