巨人による〈大きな物語の復活〉
2013年アニメビジネス関連ニューズ第6位は〈大きな物語の復活〉であろうか。言うまでもなく、これは『進撃の巨人』『宇宙戦艦ヤマト2199』の大ヒット現象を指すが、同じく大きな物語系であるロボットやファンタジー作品も2013年は堅調であった。
特に『進撃の巨人』のヒットは単にパッケージに留まらず大きく展開して行く可能性を感じさせた(何せ講談社に十数年ぶりの増収増益をもたらす原動力となったそうである)。これ、劇場版で完結させたら興行収入どれくらい行けるであろうか。多分、『けいおん!』や後述の『マギカ』を超えるのではないか、といった予感を持たせる作品であった。
それにしても、この制作は大変だったのではないか。予告編でぶっ飛んだが、いつまでこのアクションを維持できるのかと思ったら、案の定、途中で動かなくなった(笑)。放送事故ギリギリの寸止め状態でドキドキしたが、まあ作画の限界を行く作品であり、見る側としては爽快感があった。限界に挑んだ荒木監督とウィットスタジオに敬意を表したい(なお、先日毎年恒例のVIPOの就職セミナーでウィットスタジオが緊急で制作人員を募集しているとの話を聞いた)。
荒木監督は小生がマッドに在籍していた時、徹夜して床に寝ていた割合が一番高かったように思える。それにしても、最近マッドハウスで育った才能の活躍が目に付く。監督で言えば荒木徹郎、中村亮介、山本沙代、平尾隆之、脚本では浦安達彦、筆安一幸、プロデューサーでは齋藤優一郎など。
余談であるが、『進撃の巨人』『宇宙戦艦ヤマト2199』共にプロダクションIGの子会社である。本家の今年の決算は如何相成るか楽しみである。
「大きな物語」の時代は終わったと言われて久しいが、そのニーズはなかなか衰えていないのではないか。人間は物語を欲する生き物なので、大小はともかくストーリーを欲するニーズはなくならないと思うのだが。
個人的には大きな物語を見て育ったので、壮大なストーリーの作品を見続けたいと願うのだが。
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