〈『銀の匙』と北海道2〜ウエスタン〉
北海道は開拓地という性格からアメリカの西部に似たところがある。以前よく聞いた話に、「土地喪失話」があり、西部開拓期にインディアンが白人にだまされて土地を失ったというのに似ている。以下、何人から聞いた話である。
「いやー(北海道弁、ah〜といった感じの軽い接頭感嘆詞)、うちの爺さんの時代はよ、札幌の土地半分持ってたんだってさ。でも、爺さんが死んで、婆さんになったら、悪い奴にだまされて土地取られたんだ」
この話、大体ホラだと思ってよい。何せ数人から同じ様な話を聞かされており、話を合わせると札幌の土地が足らない(笑)。あるいは、だました悪人を上回る悪人が次々と登場したということになる(笑)。
銀匙(短縮形)で、隣の家まで8㎞歩くというエピソードがあったが、まあ、そういう感覚だと、いつの間にか話が「札幌の土地半分」というスケールに育ってしまうのであろう。
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