〈『銀の匙』と北海道5〜カニ〉
何だか食べログみたいになって来たので、今回で食べ物話は止めとするが、北海道料理(じゃなくて食材ですが)の最高峰は、何と言ってもカニであろう。これはたまに食べられたが、ほとんどは毛ガニであった。その昔、内浦湾で取れすぎて困ったので駅弁の「カニめし」(イカめしもおんなじ)が誕生したという話を聞いたことがあるが、まあ、時々ではあるが食べられたのは要するに安かったからであろう。
カニといえば毛ガニ(流通網が発達してからはタラバ)だと思っていたが、北海道でもずわいが獲れると知ったのは稚内で食べる機会があったからだ。昔いた会社に安全地帯というグループがいて、『ワインレッドの心』が大ヒットして最初の凱旋興業の時に、ベースの六土開正(ろくど・はるよし。本名はロクドフスキー・ハルヨン。ウソです(笑))、通称六ちゃんの地元である稚内でコンサートを行ったのであるが、そのあとの打ち上げを漁協関連の仕事をしている?彼のお父さんが仕切った。その時初めて北海道でもずわいガニが揚がることを知った。
そして、ずわいばかりではなく、毛ガニもタラバも食卓に上った。どれも、before after見たことがないほど大振りで、思わず「わぉー!」という声が出たほどであった(私一人だったかもしれないが)。ということで、当然乾杯があったのだが、宴会というのにその次に訪れたのは不気味な沈黙。聞こえるのはカニの身をそぎ落とす音だけ(笑)。やはり、カニは沈黙の王者(笑)。実に静かな宴会であった(笑)。はい、カニだけでお腹が一杯になったのはこの時だけでした。
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