中国アニメビジネスの問題点〜ストーリーを中心としたプリプロの問題2
まずストーリーを中心とするプリプロ部分(ストーリー、キャラクター、絵コンテ)に潜む問題であるが、これは有り体に言うと面白いストーリーがないということに尽きる。
これは明らかに原作の宝庫であるマンガ文化を持っていないからである。かといってアメリカの様な脚本文化もない。生まれたときからマンガに取り囲まれていた国の人間としては想像しにくいかも事かも知れないが、やはりストーリーを生み出す力としてのマンガは凄い。ストーリーのみならずキャラクターやコマ割まで揃った強力な原作装置を持たない限り面白いアニメをつくり出すのは難しいと言えるであろう。この辺りがおそらく日本から一番学びたいと彼らが思っているところであろう。
もし中国に唯一ストーリを生み出す可能性があるとすればアメリカのように映画の脚本家を起用することであろう。それほど大したコミック原作もないアメリカでなぜハリウッド映画があれほど一世を風靡しているかと言えば脚本の力である。
中国には世界に通用する優れた映画文化があるので、そこから脚本家を招聘すればかなり面白いストーリーを創作することが出来ると思うが、おそらく実写の脚本家はまだ漫画映画に興味を示さない段階ではないかと推測される。
これは次の多様性の限定というとことに大いに関係するのであるが、日本以外の国では基本的にアニメはCartoon=漫画映画であり子どもが見るものなのである。従って、なかなか映画の脚本家の目がお子様向け漫画映画に向かないということは容易に推測できるのである。