『サラリーマン漫画の戦後史』
真実一郎/10年8月/洋泉社新書777円(税別)
文章を読んでいたら『少年ジャンプ資本主義』を書いた人と同じかな思って確かめたら違っていた。代表的なサラリーマン漫画しか取り上げられていないのでデータとしてはちょっと不足。中身もなるほどと思う点は余りなかった。当たり前のことを当たり前に書いているだけ。だったらもっと弾ければ良かったのに。
例えば、アムロ・レイなんかもサラリーマンなのでは。軍人かも知れないが給与所得者ではないのか、といった風にどこからお金を貰ってるのかなど追求するとかもっと遊んで欲しかった(本書の主旨ではないだろうが)。次回お願いします。
『チャンネルはいつもアニメ―ゼロ年代アニメ時評』
藤津亮太/10年9月/NTT出版2,200円(税別)
『アニメ「評論家」宣言』以来の評論書である。内容は「ニュータイプ」と「アニメージュ」で連載していたものである。両方とも月刊誌なので2004年〜2010年に渡るアニメ時評となっている。アニメ全盛期から景気が落ち始めた昨今までですね。
2004年というと『ハウルの動く城』『イノセンス』『スチームボーイ』が公開された年である。今考えると、これら大作劇場アニメが一挙公開されたこの年はある意味セルアニメが頂点にあったとも言えるであろう。
それから6年。うーん、感慨深いものがある。その辺はこの本を読むと結構感じます。色々ありました。まあ、目を通してみて下さい。