海外における放映事情7〜アメリカに見る放送基準2
次は広告における放送基準である。表現もさることながらこの広告面での事情は日本と決定的に違っている。1991年当時アメリカとの共同製作を行い実際に向こうでオンエアー(シンジュケーション)を体験して一番ショックだったのは実はこの広告に関するものであった。
2広告に関する規制
■ 子どもが番組本編とコマーシャルを区別できるように放送枠前後に「バンパー(bumper)」を儲けなくてはならない。
■ 番組枠内で、その作品と直接関係のあるキャラクターグッズなどの商品のコマーシャルを流してはならない。
■ 同様に作品の内容と関連のある玩具などを番組内で使用するのも不可
■ 子ども番組で放送できるコマーシャルは平日一時間につき一〇分三〇秒以内、週末で一時間につき一二分以内と規制されている。
日本では考えられないが、スポンサーは番組を提供していながら、その番組に関わるグッズのコマーシャルを放送してはいけないということなのである。また作品の内容に関連する玩具などを番組で使用するのもダメである。
もしこの放送基準を日本のアニメ番組や「連隊もの」に適用すると即時に番組が崩壊するであろう。日本の子ども番組の多くは玩具などの商品と直結しておりショーケース化しているのは事実でありそれに対する批判も多い。
アメリカにおける子ども番組や玩具事情にそれほど明るい訳ではないので一概には言えないが、子どもに対する放送について大きな考え方の差があるのは確かであろう。