〈07.12.31号〉 2007年を振り返る①〜2006年と2007年を比べると・・・
本日は大晦日。今年の7月からはじめたこのブログであるが何とかここまで続けることができた。当初は読んで貰えるとも思わなかったが、ここに来て色々な方からの反応もあり励みになった。そんな訳で、本年を振り返る意味でも、2007年はアニメビジネスにとってどんな年であったか、2008年の動向も併せて考えてみたい。
2006年と2007年に見るアニメ動向
2007年のアニメビジネスの動向を見るにあたって、全体の概況を見るウィンドウとして、今月発売の『アニメージュ2月号』の特集「知っておきたいアニメ事情」で取り上げられた事象を見てみたい。アニメビジネスの動向を知る上で大変参考になる。
【2007年知っておきたいアニメ事情】
■ 〈サンライズ躍進中〉人気作・意欲作を連発
■ 〈再興するロボットアニメ〉王道回帰・新機軸
■ 〈『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』大ヒット〉
■ 〈新作アニメ本数減少へ・・・〉業界の動向に新展開
■ 〈アニメのバラエティ化進む?〉ギャグ・パロディ、楽屋オチ・・・
■ 〈アニメ発表形態に多様化の波〉第2シーズン増加
■ 〈フジテレビ「ノイタミナ」好調〉TVアニメの復興目指して
■ 〈海外アニメ映画に減少傾向〉CG製ファンタジー増加
■ 〈王子様ブーム加熱!〉キャラクターも声優も
■ 〈「日本アニメーター・演出家協会」発足〉労働環境の正常化をー
(アニメージュ2008年2月号より)
これらの中で見出しだけで内容がわからないのは〈アニメ発表形態に多様化の波〉であろうが、これは続編シリーズを製作する場合、前のシリーズそのままではなく、設定やスタッフを変更したり、あるいはメディアを変えてみたりなど戦略的な続編への取組が増えたということを指す。
ここで、さらに2007年の傾向を浮き彫りにするために、やはりアニメージュに掲載された、1年前の同様の企画「2006アニメ十代ニュース」を見てみたい。
【2006年アニメ10大ニュース】
01〈『涼宮ハルヒ』大旋風!!〉ネットの口コミで火がついた
02〈『ガンダムSEED』映画化も発表に〉“ガンダム”根強い人気を受けて新展開
03〈個人作家の躍進がさらに顕著に〉FLASHアニメが地上波で放映!
04〈夏の劇場アニメ戦争〉大作映画が全面対決
05〈春の新作 過去最大に〉このまま増加の一途をたどるのか・・・
06〈アキバ文化の広がり〉アニメタウンは中野や池袋にも
07〈乙女文化に脚光が集まる〉女の子ワールドが熱い!!
08〈声優人気の多様化〉本人のキャラクターも重視
09〈アメリカでもアニメラッシュ〉映画史上最多の年間上映本数を記録
10〈アニメのネット配信が盛んに〉新作のアニメも登場
(アニメージュ2007年2月号より)
見出しを見比べた感じはどうであろうか。まずこの一年を振り返る企画そのものであるが、昨年は「10代ニュース」と銘打ったのが本年は「知っておきたいアニメ事情」となっている。これは2007年がニュース性にとぼしかったためであろうか。「新作アニメ本数減少へ・・・」「海外アニメ映画に減少傾向」という項目があるが、これを「ニュース」と呼ぶのは気が引けたのかも知れない。
以上のことを勘案すると。どうも2007年は前年よりインパクトのあるニュースが少なかったようである。それではひとつひとつの事象を取り上げつつ2007年のアニメ界を振り返ってみたい。
(この続き、元日休業、1月2日より)