『もっとわかるアニメビジネス』解説〜第一章アニメーションとビジネス9
アニメスタジオの存続・継承〜日本2
アニメスタジオの資本についてであるが、シンエイ動画は2009年にテレビ朝日の100%子会社となった。これで経営的には盤石であろう。マッドハウスは、インデックスの後、日本テレビが84.5%の株を持つ親会社となった。
もともと、マッドは「夜のアニメゴールデンタイム」とも言える日テレ火曜日深夜枠を担当することが多く、日テレ×VAP×マッドという体制で『マスターキートン』『はじめの一歩』『MONSTER』『アカギ』『ごくせん』『DEATH NOTE』『カイジ』といったヒット作品をずっと飛ばし続けていた。その意味でシナジー効果を十分持ちうるいい取り合わせであり、10月日テレ新番の『HUNTER×HUNTER』も決まり早速その事が証明された。このように経営基盤は強化されたので、あとはスタジオの業績次第であろう。
アニメスタジオとテレビ局関係はこんなところであろうか(かつてフジがGDHに出資したことがあったが・・・)。
玩具系、テレビ局系と並んで、もうひとつの極として注目されるのが遊興系である。パチンコ・パチスロでアニメのキャラクターが使用されるようになったのをきっかけに、より深い関係が出来つつある。『アニメ産業レポート2011』でも算出したが、遊興系の数字は大きい。
彼らの20兆円市場は、既存の四マス媒体を含む、音楽、ゲーム、マンガ、アニメなど全てのコンテンツ市場より大きいので当然のことかも知れないが、安藤健二氏の『パチンコがアニメだらけになった理由』に書かれてある通り、アニメ業界に対する経済的な影響は増しつつある。
遊興系との提携の嚆矢となったサテライトは2006年のSANKYOの系列となった。AICは2010年パチンコ・パチスロの周辺器機を生産する株式会社オーイズミが95%の株式を取得、その後も買い増して完全子会社となった。が、今年の3月株式会社アプリックスに全株を譲渡しAICはその傘下に入った。なかなかせわしない変遷である。セガ・サミー傘下のトムスもある意味そう考えることが出来る。