第七章「アニメ企業研究 海外篇」10
ハリウッドの潮流とユニバーサル
おそらく、ファンタジー系作品が主流となっているハリウッドで一番その路線に乗れていないのがユニバーサルであろう。興行収入を見てもそれは明らかである。ある意味、伝統的なアメリカ映画をつくる会社と言うことも出来るが、とにかくヒットが少ない。
2008年、2009年共に北米BOXOFFICEベストテンに入る作品がなく、2010年ようやく『怪盗グルーの月泥棒』が7位に入り、2011年は『FAST FIVE』が5位に入っているという非常に厳しい状況である。
そんなユニバーサルも来年以降はファンタジー系作品が増える。夏シーズンの『Battleship』を皮切りにと言いたいところだが、何故か年末はキアヌ・リーブスの『47 Ronin(忠臣蔵)』。うーん、なぜ忠臣蔵なのだろう?
と言いながら、2013年から『Stretch Armstrong』『Riddick(リディック)』といったSFアクション、ロン・ハワード監督のSFファンタジー・ホラー『The Dark Tower』などがあり、待望の『怪盗グルーの月泥棒2』が公開される。
それほどヒットするとは思われないが、『The Addams Family』や『Kill Bill: Volume 3』といった目を引く企画もあるので期待したいが、当面苦しい状況が続きそうな気配である。