『中国動漫新人類』に見る中国動漫事情⑲〜中国製アニメのビジネスモデル/中国アニメ製作者は儲かっているのか?
中国のアニメ製作者は市場からどの程度収益を得られているのであろうか。中国のキャラクター市場の売り上げを8兆円と推定する。日本と同じビジネス条件ならば、上代の平均4%である3,200億円がロイヤリティとして入ってくる。これを放送タイトルの規制比率(後程説明する)に準じて大まかに国内6:国外アニメ4で分けるとすると、国内に対するロイヤリティは1,920億円となる(実際は国外アニメの商品化比率の方が高いと思うが)。
仮に日本のアニメ業界の慣習に習ってアニメ製作者にその1/3が入ってくるとすれば640億になる。これにDVDなどの動漫市場から入ってくる収益を足せば、日本のアニメ製作者が年間に得られるとされる金額に近くなるのではないかと思われる。
中国製アニメ1話の製作費はアニメ関連メディア情報119で推測すると240万円であった。ところが、今週配信されてきたデジタル・コンテンツ協会のレポートに、「中国中央テレビ局(CCTV) 訪問(巌番組版権管理処科長に聞く)」というのがあって、それを見ると中国におけるアニメ制作費の分単価は12,600元とあった。日本円に直せば189,000円である。正味25分とすれば472.5万円で先の数字の倍となる。情報元から考えてこちらの数字の信憑性の方が高いと思われるので、以降中国製アニメの480万と仮定するが、もしそうであればキャラクター市場や動漫市場などからの収益から考えると、中国の製作者は日本の同業者以上に利益を得ていることになるのだが。