Year of GHIBLI
2013年のアニメ関連ビジネスニューズ1位は圧倒的に〈宮崎監督の引退を含めたジブリの年〉ということであったろう。これに関しては、前後のブログ「アニメビジネスが分かる本」で結構書いているので詳しくは書かないが、とにかく初夏から現在に至るまでジブリの話題が途絶えることのない年であった。
『風立ちぬ』自体、初の大人向け作品、庵野監督の声優起用といった話題がてんこ盛りであった上に、宮崎寒竹最後の作品ではないか、また現在の映画興行では有り得ないと思われている100億円を突破できるかといった点にも注目が集まった(多分に業界的な話題だが)。
さらに、同時公開予定の高畑作品が遅れたのはご愛敬であったが、『風立ちぬ』大ヒットの真っ最中の引退宣言。これには世界が驚いた(三度目だし、年齢も年齢だからからそうでもないか)。
そして、11月には『かぐや姫の物語』公開。個人予測は興行収入25億〜30億円であるが果たしてどうなるやら。来年も米林監督作品が続くが、ともかくジブリの動向は日本のアニメ文化・産業に大きな影響を与えるので、注目せざるを得ないであろう。
3年連続景気回復
第2位〈アニメ産業復調明確に〉というのは、私以外に言う人間はいないと思うが、産業界に取っては非常に出来事であった。ご存じのように『鉄腕アトム』放映以来、多少の凸凹はありつつも、ほぼ一貫して右肩上がり出来た日本のアニメ産業が06年をピークに下降しはじめた。
07年はまだ06年の余韻があったものの、08年、09年とかなりの勢いで制作分数やビデオ売上、海外販売などが落ち込み、一時業界に緊張が走ったが、2010年をボトムに2011年、2012年と制作分数が増加に転じ、回復基調が鮮明となって来た。
おそらく、2013年の制作分数も2012年をおそらく上回るものと思われる(まだ最終的な計算は出してないが、タイトル数から類推するに、多分増えている)。日本の場合、テレビアニメ制作分数が景気動向のバロメーターとなるので、この調子が続けば、今度は06年のピークにどこまで近づくのかということがポイントとなる。
06年のピーク時の反省としては、粗製濫造の誹りを免れない点があったのは確かであり、適正な市場規模やクオリティといった問題が出てくる可能性はある。既に制作の現場はかなりタイトになりつつあると聞く。アニメのクオリティは毎年確実に上がりつつある。今の制作レベルでつくれるキャパには限りがあると思うが、果たして来年はどうなるのか(14年の1月新番を見ると、13年よりかなり増えている気がするのだが…)。